『私は10年ほど前、アメリカの東部で行われたシンポジウムに参加しました。その時、キリスト教のリベラルアーツカレッジである小さな私立の学校、アマーストAmherstと言う学校を案内してもらいました。
新島襄が留学したところです。
学部長に案内してもらっているときに
「プロフェッサー・ニシ、教会を見ますか?」
と言われたので
「仏教か?」なんて冗談を言いながら見せてもらった。
古い小さな教会でした。
そこに小さな舞台があり左側には創立者の肖像画、右側に新島襄の肖像画がかけてある。びっくりするでしょう。
それを私が指差すと、「プロフェッサー・ニシ、この新島襄の肖像画は第二次世界大戦の時も外されませんでした」
そう言われました。
偉大なり。
ああいう男たち、ああ女たちを次から次へと敗死させたのがこの国です。
明治維新に一生懸命になった男たちは、バタバタと死んでいきました。暗殺で死に、結核で死に、ああ惜しいことをした。
維新を成し遂げた後も、彼らは延々と暗殺されていく。お互いに殺し合います。西郷隆盛も殺し合いで負けた。もう全員やられてしまう。
私は坂本龍馬も、結核で死んだ高杉晋作も好きです。
ただ、もう神話はつくられないほうがよい。いや、本当の姿を言ったほうがはるかに感動します。美しい話ばかり言うより、よほど感動がある。
〜『新説・明治維新』西鋭夫、第四章、美学の国・ニッポンより〜
下の写真はアマーストカレッジのホームページより
「私たちが真実を追求しようとすると、都合の悪い事柄にいっぱい出会います。
しかし、真実を知らないと、その上に作った建物はガラガラと崩れてしまう。」
〜第三章明治維新に隠された「謎」より〜
👆私は上記の第三章の結びの言葉にも深く共感した。
これは主イエスのマタイの福音書の御言葉を連想する。
それと同時に、我々の語る「証し」、
「個人の人生」にも同じことが言えそうだ。